大阪地方裁判所 昭和47年(ワ)752号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕四、被告会社の責任
被告会社は、注文主からの注文を受けて、これに応じたダンボール製造業者に製造印刷を依頼するのを目的とする、いわばダンボール加工製造業者の組合的性格を有する会社であるが、配注者の便宜のため製品の運送のあつせんもしている。
但し、被告会社としては製品の加工賃から約二%のマージンを得て会社を維持しており、運送賃は注文者から一括して受取るがそのまま各運送業者に交付している。被告芋生は独立の無免許運送業者であるが、毎日のように被告会社に出入し、被告会社係員からの指示によつて製品を製造業者の許から注文者の指定する倉庫等まで運送する事業に従事していた。<証拠略>
そうすると、被告芋生が右運送に従事する限度においては被告会社は加害車の運行につき支配を及ぼし、又利益を得ているものといい得る(ダンボールの運送は配注者の便宜のためになされ、被告会社がこれにより運送賃を得或はマージンを得ている関係ではないが、右は被告会社の事業目的に関連附随するもので被告会社としてもこれにより有形・無形の利益を得ていることは容易に認められるところである)。
しかしながら、本件事故は被告芋生が日曜日に五条市の親類方の結婚式に出席して帰宅する途中において発生した事故(原告が明かに争わないから自白したものと看做す)であるから、被告会社は被告芋生の右運行につき、直接・間接の指揮監督を及ぼしうる立場になかつたものと云うべきである。
してみると被告会社は本件事故につき自賠法三条に基く責任を負うものではないと云わなければならない。原告の被告会社に対する本訴請求は失当である。
(菅納一郎)